血管力をつける漢方

 ここ最近、長嶋茂雄さんのうれしい復帰や、有名格闘家の脳幹出血による突然の不幸などが話題になり、動脈硬化、または動脈硬化予備軍と呼ばれる人々が不安を感じていらっしゃるようです。心臓と脳の血管に何らかの問題を抱えた血管病は、中医学でいう瘀血(=血の滞り)に関する病気です。養生・飲食・リラックスなどに気をつけながら、血行改善と動脈硬化の早期予防が大事になります。

 血液の質と血管の強化。この両方に効果がある中成薬があります。主成分の”丹参”(たんじん)と”紅花”(こうか)は、血管を拡張し、柔軟にします。 血栓を溶かし、血液の質をサラサラにする作用があります。報道番組(血管を特集)でも取り上げていましたが、動脈は加齢とともに硬くなります。この中成薬は、大動脈組織における一酸化炭素の産生を増加させる方向に働き、血管を柔軟にし血圧の上昇を抑制する効果があります。

 「高血圧なので降圧剤を飲んでいます。ずっと正常値で安定していたのに、最近は薬を飲んでも血圧の高い状態が続いています」とご相談いただいた60代の女性。この中成薬を常用の薬と併用して服用していただいたところ、2週間後に「血圧が安定しました。体の動きも軽くなって調子がいいです」と報告してくださいました。

 丹参と紅花を主とする中成薬は血圧が急に下がったり、下がりすぎたり、という副作用がありません。一方で緊張やストレスなどが原因で増える活性酸素を除去する作用を持っています。

 なお、ご相談いただいた方には、「血液健康学ハンドブック」を差し上げています。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2005.08.07