血液の滞り

 70歳を迎える奥様です。体がふらつき、地に足が着いていない感じ、血圧が安定せず、薬を服用しています。時々めまいを感じ、いつか倒れるのではないかと不安で、ひとりでは買い物にもいけないとお悩みでした。かわいいお孫さんのお世話をする一方、家事を引き受けているという責任感から、気丈にも、無理をしている様子です。

 このような場合、血液のめぐりが悪くなっていると考えられます。血液は血管を通じ、体の隅々まで酸素や栄養分を送り、老廃物を運び出す、大切な役割を担っています。この流れがスムーズにいかないと、さまざまな症状を引き起こします。

 中医学には「未病先防」と言って、日頃の養生で病気を未然に防ぐという考えがあります。血液が滞った状態を「瘀血」といい、自覚症状がはっきりしないまま、体調を崩し始めた人の多くは「瘀血」の傾向が見られます。血液のめぐりを良くするために、活血化瘀という働きをする方剤が古くから使われています。活血化瘀の働きをする代表的な生薬に「丹参(たんじん)」があります。丹参には、血管そのものを強くする働きがあり、また血栓を溶かす作用があります。瘀血によって起こる肩こり、頭痛、頭重感、めまい、動悸などがある方は、丹参製剤を服用後2週間前後で楽になります。

 丹参製剤を服用して1ヵ月後、この奥様もふらつきがなくなり、自分の足でしっかり歩けると、自信を取り戻したようです。血流が良くなったので、血圧も安定し、体の調子がとても良い、と喜んでおり、今も服用を続けていらっしゃいます。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2003.04.07


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