つわりと”胎養”

 20代の女性です。妊娠していて”つわり”がとてもひどく、食事が思うように取れず、元気もないという訴えでした。妊娠2ヶ月から3ヶ月にかけて、吐き気に襲われることがあります。これが”つわり”ですが、人によって吐き気の強さや苦しむ期間に違いがあります。つわりの起こる時期は、胎児の体の基礎ができる大切な時期でもあるので、強い化学薬品の使用は避けなくてはなりません。そこで、安全な生薬を服用する方法やお灸をお勧めします。

 相談に来られた女性は血色がなく、やせていて冷え性で、疲れやすいという体質でした。 元気な子が育つよう母体を整える”胎養(たいよう)”の働きを持つ漢方薬を服用していただきました。この漢方薬に含まれている生薬の当帰は、鉄分が豊富で増血作用があり、体を温めます。また妊産婦に多い便秘にもよいとされ、子宮の異常収縮を抑える働きもあります。それに滋養、強壮作用のある地黄(じおう)や天然コラーゲンである阿膠(あきょう)も含まれています。漢方薬は適正なものでしたら妊娠中も安心して服用していただけます。

 胎児に豊富な血液と栄養を送り込む漢方薬を服用されて、「冷えが改善された。疲れにくくなって、飲む前よりも体の調子がとても良くなった」と、安定期に入って、喜びを話してくださいました。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2005.04.06