漢方の体質改善が思わぬ効果

 さわやかな秋空で心地よいと薄着で油断してか、風邪をひいたり、体調を崩していらっしゃる方が多い様です。夏からたびたび風邪薬をお求めにいらした方です。オフィスの冷房が効きすぎで喉が痛い、鼻がぐすぐすなどの症状が出やすく、症状に合わせた漢方薬を飲んで対処していました。この夏あまりに頻繁に、また風邪を引いたといらっしゃるので、体質改善をしてみたら?と問いかけました。(体が、冷えて辛い、だるい、疲れやすい、と訴え、顔色が白く、冷たい手でした。)

 中医学では、生命の活動に必要な3要素である「気(エネルギー)」「血」「水(潤い)」、この3つが体内を循環することで健康が保たれ、どれかが不足したり、流れが滞ったりすると、身体の不調が起こると考えられています。冷え、肌の乾燥、便秘、たちくらみ、顔色が悪い、髪のぱさつき、疲れやすい、の中で二つ以上あてはまる場合は、血虚の心配があります。

 この方はこのほとんどがあてはまり、さらに気も相当消耗していると思われたので、腎精を強める鹿茸(鹿の幼角)と朝鮮人参に、血を補う作用のある生薬を配合した「参茸補血丸」を飲んでいただきました。徐々に体が暖まり、風邪をひきにくくなり、喉も痛いことがあまりなくなった、とのこと。3か月経過した頃にお会いしたときは、お肌が潤ってきれいなのにはびっくりしたほどです。

 漢方薬は、免疫力を高めることで、気になる症状の体質改善だけでなく、美肌効果も期待できるのです。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2012.11.26