子宮筋腫とその養生

子宮筋腫の発生原因はあきらかではない、と言われていますが、エストロゲン(女性ホルモン)の働きによって発育することが知られています。女性ホルモンの分泌が活発な10代~50代の女性は子宮筋腫のリスクが高く、逆に閉経後に女性ホルモンが減少すると筋腫も小さくなることが知られています。筋腫があると、さまざまな症状が引き起こされ、生活の質を左右することに困り、ご相談が多いカテゴリーの一つです。

特に子宮の内側にできる粘膜下筋腫は、子宮の働きに合わせて刺激を受けやすく、不正出血、出血過多、貧血、下腹部痛、腰痛など、の原因になります。さらに大事な事として、不妊症や流産の原因にもなるので、妊娠を希望される方は、症状、部位、大きさなどの認識が必要となり、是非とも定期検診は受けていただきたいと思います。

中医学では、筋腫の腫瘍は血が滞ることによって成長する瘀血(おけつ)体質と捉えます。血液を補い、血行を促進し、月経を整える方向で、漢方薬を飲んでいただきますと、過多出血だったのが普通量に変わった、生理痛が楽になった、不正出血や貧血による立ちくらみが改善された、筋腫が大きくならず安定しているなど、普段の生活に支障がないほど楽になられています。子宮筋腫があるとわかったら、相性のいい漢方薬を飲んでいただくことをお勧めいたします。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2015.02.09