抜毛に漢方の効果

 60代の女性です。元々は髪の毛が多かったそうですが、抜毛がひどく地肌が見えるほどで帽子をかぶらないと外出出来ないようになり、ご相談にいらっしゃいました。10年間お母様の介護が続き、お母様が介護施設に入られた後は、一人住まいになったお父様の所へ週1回泊りでいらしてると。

 相当エネルギーを消耗していると感じたので、腎機能を補う漢方を2種類飲んでいただきました。2週間後、早くも効果が見られ、抜毛も減り、短毛が伸びふさふさに。肌も潤ってきて湯冷めもなくなったと、明るい声で話してくださいました。そしてその2週間後には、抜毛がなくなり、1本1本コシのある髪も伸び地肌が見えなくなりました。まだ疲れは感じるということで、同じ漢方を続けていただきました。

 3か月後には、疲れにくくなり髪も豊富になったので、漢方薬を1種類に減らしたところ、2か月過ぎたころにまた抜毛が目立つようになりました。すぐに2種類に戻しすと抜毛がとまり徐々に増えて、またお肌の潤いも戻りました。あまりに歴然とした状態に、ご本人はさほど感じてはいらっしゃらなくても、様々なことに神経や気を使われてかなりのエネルギーを使っていることを、自覚してくださって、しばらくは漢方薬を減らさず2種類を続ける方向でお願いしますとおっしゃっています。

 髪の毛は、中医学では腎の機能に属し、気(エネルギ-)を消耗することによって、細くなったり、抜けたり、白髪になたり…。もちろん加齢によるものは致し方ないのですが、腎の機能を少しでも持ち上げる=エネルギーを増やす漢方薬を飲むことによって、老化の速度をゆっくりにすることは可能です。エネルギー不足のサインを見逃さず、補ってあげることで、安心して健やかな日常を送ることが出来るのです。一言にエネルギーを補うと言っても、色々な選択肢がありますので、その方のその時の状況にあったものをご提案したいと思いますので、ご相談ください。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2013.05.29