めまい たちくらみ

 めまい、たちくらみを訴える方が増えています。病院の検査では貧血やメニエル症ではないと言われても、外出することが不安になってしまいますね。体内で最も血液を消費するのが脳。心配ごとや悩みごとがあると、血液をたくさん消耗してしまいます。血液が薄い状態、必要量に満たない状態など、そして血液の量や濃さは正常でも充分に機能せず全身を潤すことが出来なくなった状態などを、中医学では血液不足と考え、これを血虚証(けっきょしょう)と言います。

 めまい、立ちくらみの症状のほか、手足の冷えやしびれ、爪の色が悪かったり、もろく割れやすい、髪の毛が乾燥したり、痩せたり、枝毛、切れ毛が増えたりします。急に立ち上がるとめまいがするのも、頭に血液を送ることができなくなったことによるものです。ひどい場合には、動機や息切れがすることもあります。

 また、めまいがある方は、鏡で舌を観察してみてください。舌が全体に大きくて、舌の上に苔(こけ)がたくさんあるようでしたら、体に余分な水分が溜まっているため、めまいが起こったと言えます。これは水分の摂りすぎや、胃腸の機能低下などによって体の各所に停滞した“水分”が、体の上部に昇って脳を養っている気の運行を妨げたことにより、頭部に充分な気が供給できず、めまいを誘発すると考えます。

 実は私も回転性のめまいを初めて経験しました。梅雨明けの猛暑が続いた頃、店内のエアコンで代謝が著しく悪くなり、むくみと尿量減少が気になっていた時でした。症状に応じた漢方薬を服用して、3日目に改善しました。まだまだ厳しい残暑が続きそうです。水分補給、エアコンの調整、エネルギーの消耗などで、自律神経の乱れに注意が必要です。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2010.08.07