花粉症と免疫機能

 今年の花粉飛散量は、昨年と比較するとかなり少ないと予想されています。しかし、これまで症状がなかった人も、昨年の花粉をたっぷり取り込んでいるので、発症患者の減少にはつながらないようです。

 人の体は本来、常に周囲の環境に適応できるような防衛システムを持っています。“免疫”といわれるこの防衛システムが過剰反応を引き起こした状態がアレルギー疾患で、花粉症やアレルギー性皮膚炎などの症状として現われるのです。環境に適応しようとするこの免疫機能を、中医学では“衛気(えき)”といいます。衛気は体表部をくまなくめぐり、皮膚や粘膜の防衛力を高め、目に見えないバリアですっぽり覆った状態を作ります。 この衛気が弱くなると、花粉やウイルスなどの外敵が侵入しやすくなります。

 花粉症状は、個人の体調や体質によって、現われ方が違ってきます。 例えば睡眠不足やストレスが続いている場合や、薄着で、冷たい飲食物や生ものを好む傾向のある方は、体を冷やしてしまうので、体温調節機能が低下します。そうなると、体の水分が停滞し、鼻水、鼻づまりなどの発症につながってしまうのです。

 昨年の花粉の時期のこと、長年の花粉症で、毎日ティッシュの箱を持ち歩くほどの鼻水と、目がはれるほどのかゆみで悩まされてきた三人姉妹がいらっしゃいました。花粉が飛び始める頃から、体質改善の漢方薬を服用していただいたところ、3人とも鼻水の量が激減、目のかゆみ、肌荒れも改善した、と喜んでおられました。西洋薬にみられる眠気や口の渇きなどの副作用の心配が無いので、小さいお子様でも安心して服用いただけます。つらい花粉症、楽になれば集中力もアップしますよ。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

 

2006.03.07