掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)④

 手のひらや足の裏に生じる無菌性の小水疱または膿逢疱で寛解、増悪を繰り返し、悪化すると表面の炎症が真皮にまで深く広がり、角質が肥厚し黄色様角質層が点在します。亀裂になってしまうと痛みこわばりで自由にならないほど辛い思いをしている方がいらっしゃいます。

 この病気の原因は感染、金属アレルギー説、腸内環境、などといわれていますが、はっきりと原因を特定することは難しいようです。中医学では、体に水分が滞り解毒することが出来なくなると、水疱や膿疱が出現しやすくなると考えます。梅雨に入るこれからの時期が要注意です。

 処方された外用薬を長年使い続けて悪化の一途でご相談にお見えになった40代の女性もそのおひとりで、手のひらだけでなく手首、腕にまで紅斑が広がっていました。亀裂は、指の節にも見えており、相当辛そうでした。ご相談の間、抗菌、消炎作用があるスベリヒユのエキスを水に溶かして浸しただけでこわばりが取れて、楽に指が動かせるようになり、飲んでいただく漢方薬と共に、ほっとして帰られました。

 2週間ごとに観察させていただきましたが、悪化を繰り返していた深い炎症が徐々に浅くなり、古い角質がはがれ、新しい皮膚が盛り上がり今では全くトラブルがない皮膚によみがえっています。持病の花粉アレルギーも今年はまったく出ませんでした。

 自分の体質改善に向き合っていただいた結果、漢方薬が期待に応えてくれた例です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)④

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2013.06.05