子供のアトピー

 3歳のお子さんを持つお母様からのご相談です。離乳食を始めたころから足の甲が赤くかゆがり始め、成長するにつれ、ひざ、ひじの内側に広がり、今は背中、首、顔までの表面がブツブツ、ジクジクと赤くかゆがっています。夜中にボリボリかいてしまうのでしょう。かきこわした跡が、見るだけでかわいそうです。お母様の体にすり寄ってはかゆみを我慢しているようで、落ち着きもなく、機嫌も悪いのです。

 最近はアレルギー疾患の方が増えています。環境ホルモン、新建材の住居、食生活のアンバランス など、私たちの生活環境の変化が大きく影響しているようです。子供に見られる皮膚病は、主に親からの体質遺伝、体の抵抗力の低下が考えられます。中でも、冷えは大敵です。冬はエネルギーを蓄える季節。冷たいジュース、生ものは控え、保湿に心がけ、努めて温かいものをいただくことが大切です。

 このお子さんは、まずは食生活の改善からと「実」「葉」「根」の温野菜を多く摂り、甘いもの、冷たいものは控えていただきました。「皮膚に潤いを与え、ほてりと炎症をしずめる」作用のある漢方薬をを飲んでいただきました。さらに漢方薬の外用塗り薬を塗っていただいたことで、あれほどひどかった皮膚が半年の間にうそのように赤みが引き、かゆみもほとんどなくなっています。

 生後6ヶ月の次女の赤ちゃんもやはり皮膚が赤くなり、かゆがり始めたので、外用湿布をしました。薬を飲めない赤ちゃんは湿布だけでも改善が見られます。 お母様は大喜びで、友人にも紹介したほどです。制限されていた乳製品や豆腐なども少しずつ食べられるようになりました。 忍耐と愛情がお子さんに伝わり、改善に結びついたのでしょう。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2003.05.07