「糖尿病」数値が減少

 血糖値の高い状態が長く続くと、さまざまな臓器の細胞がダメージを受けます。初期は自覚症状がなく、血糖値が高くても放置する人が多いようです。その結果、症状が悪化し、合併症を引き起こしてしまいます。

 漢方は、インスリンや経口血糖降下薬を併用しながら、糖尿病に伴う合併症を予防したり、すでに合併症を発症している場合には、重症化を防ぐことを目的に処方されます。それでも血糖値が高くなってしまったり、ヘモグロビンA1cのコントロールができなくなると、「インスリン注射に切り替えましょう」とか、「このままでは透析ですよ」と言われます。ご本人は驚いて悩んでしまいます。

 糖尿病を発症してインスリン療法を続けているこの方は、血糖値や体重を落としたが、自宅療養を始めたら、すぐに元に戻ってしまったとのことで、どうしたらよいかとの相談を受けました。 食事内容をチェックしたところ、穀類が多い上に、野菜がほとんど摂れていないことに気づきました。そこで、1200キロカロリーの献立表にそった食事を指導し、黒酢を飲みながら脂肪や水分代謝を促す働きのある漢方薬を飲んでいただきました。

 2週間後の検査に臨みましたところ、結果はお見事。体重、血糖、ヘモグロビンA1c、また、高かった血圧までも下がっていました。私も驚きですが、食事療法を続けることがご本人にとってのこれからの課題であり、私も応援し続けたいと思います。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2007.01.07