ストレス性疾患

小さな心の不調は、「ストレスだから」とつい見過ごしがちです。
ところが、放っておくとうつ病や不眠症、心身症といった重い病状につながることも。

職場の人間関係、わずらわしい近所との付き合い。自分に自信が持てない、あれこれ考えて眠れない。目覚めが悪くてボーッとしてしまう。人とのおしゃべりが好きだったのに、今は人に会うのも億劫。なんとなく気分が落ち込む、やる気が出ない、イライラする・・・。
こうした心のトラブルは、単にストレスが原因と考えがちです。同じストレスでも元気なときは上手く対処できるのに、疲労や睡眠不足などで体調を崩していると強く受けてしまう、
そんな経験は多くの人にあるのではないでしょうか。

中医学では、”心と身体は全体で一つ“と捉え、心の不調にも身体の状態が深く関わっていると考えます。そのため、精神的な症状でも、まず身体に起こっている不調から改善し、心と身体、全体を健やかに整えるよう対処します。

心の健康と深く関わっているのは、心身の元気の源となる「気(体内のエネルギー)」と、
精神を安定させ、身体に栄養を与える「血」。この気・血が体内に十分あれば、ストレスの影響をそれほど大きく受けることはありません。反対に、気・血が不足したり、体内をスムーズに流れなくなったりすると、ストレスの影響を強く受けて心の不調が現れやすくなるのです。

気・血を充実させ、スムーズに巡らせるためには、五臓の「肝」を養って元気に保つことが大切です。肝はストレスを調節する機能を持ち、春の季節とも密接に関連する臓器。この時期は肝の積極的な養生を心がけ、ストレスを上手に発散して心のトラブルを防ぎましょう。

漢方薬はその方の症状に合わせてお選び致します。漢方薬を飲みながらカウンセリングを重ねる事で、「徐々に気持ちや行動が前向きになり、「昨日は久しぶりでお友達とお茶を楽しむことができました。」と報告してくださったり、寂しい顔をされていた最初の頃とは別人のように、明るくなったお姿を拝見すると、改めて漢方薬の威力を感じるのです。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2019.07.01