働き盛りのストレス

 50代の男性です。最近体の調子が悪く、会社でも血圧を測りながら健康管理をしていたところ、体がだるいなと感じて測ってみると、ずっと正常だった血圧が高くなっているとのこと。このままでは不安なので何か良い方法はないかとの訴えでした。

 原因を探るために生活習慣を聞いてみました。会社で深夜まで残業が続き、最近は人間関係のトラブルがストレスとなり、頭が重く、熟睡できずに夜中に何度も目が覚めては、仕事のことが思い浮かぶそうです。食事も外食が多く、お酒の量も増えたとのことでした。

 現代人がもっとも注意しなければならないのは、精神的ストレスです。極端な喜怒哀楽や長時間の感情の刺激など、精神的負担の大きな事柄に対してコントロールができなくなると、血液の流れが悪くなり、血管の収縮によって末梢からの抵抗が増え、血圧が上がりやすくなります。

 中医学では、血液が滞った状態を「瘀血」と呼びます。異常が疑われる初期段階で、血流を正常な状態に戻す代表的なものが丹参を使った漢方薬です。 丹参を使った漢方薬は、ストレスなどによる血管の緊張を緩め、血液循環の悪化による頭痛、肩こり、めまい、動悸などの症状を改善します。

 なるべく外食を控え、濃い緑色の野菜をたっぷり摂って、お酒の量も増えないように、とお話ししながらこの漢方薬を服用して1ヶ月。頭重感が改善し、血圧も徐々に安定してきました。その後も精神的ストレスは避けることはできませんが、高血圧の予備軍にはなりたくないと、予防薬として服用していらっしゃいます。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2004.10.07