子宮頸がんは子宮の入口にできるがんです。子宮頸部に発生した悪性腫瘍であり、原因は性交渉によって子宮頸部に『HPV』というウイルスが感染したことが原因となります。『HPV』はヒトパピローマウイルスの略称で、ヒト乳頭腫ウイルスとも言われています。『HPV』には200種類の型があり、型別に番号がついています。
子宮頸がん細胞診において「細胞異型」が軽度な場合に、腫瘍性病変の細胞異型か、非腫瘍性病変の細胞異型の変化なのかをHPV検査で識別します。HPV検査(+)の場合は腫瘍性病変と考え、精密検査(組織診)をすることになります。
体をいつも健康な状態に保とうとしている自己防衛力と自己治癒力を『免疫』といいます。外部から細菌やウイルスなどが体に入ってきた時には、免疫細胞がそれら「異物」と戦い、体を健康な状態に戻そうとします。免疫細胞から分泌される活性酸素(サイトカイン)が細菌、ウイルス、がん細胞などを直接攻撃します。
私たちの体は約60兆個の細胞からなっているといわれ、体の中では常にがん細胞の芽が生まれています。何らかの原因で免疫力が低下してくると、がん細胞の芽が成長し、次々と細胞分裂し、増え続け、目には見えない「小さなガン」になります。この段階で免疫を高めることができれば、がん細胞を死滅させ、ガンの進行を止めることができます。同時にガンの転移を防ぐこともできます。
30代の主婦の方です。年末の人間ドックで子宮頸部異形成を指摘され、「がんに進展しないように、予防したい」とご相談にいらして、ご説明の上、早速免疫機能を高める漢方を飲んでいただきました。再検査を実施、HPV検査の結果、軽度から中等度の間位の腫瘍性病変であることがわかり、しっかり漢方を飲み続けながら4ヶ月後の検査に臨みました。
ハイリスクの型であるが、結果として頸部組織診にて、軽度異形成CIN1と診断されました。CINとは子宮頸部上皮内腫瘍で、前癌病変を経て発生する異形成細胞をいいます。CINの1は基底層に軽度の異形がみられる程度であったことが確認できます。
更に漢方を飲み続けて、6ヶ月後の定期健診では、前回軽度異形成から『正常』という結果になりました。信じて飲み続けてよかったですね。この方は他に以前からストレスがかかると不正出血がありましたが、それも漢方を飲み始めてから無くなりました。免疫機能が上昇し、血液循環が良くなったといえます。体調も良くなったと話されていました。『正常』という結果にまだ安心はできませんので、その後もしっかり飲み続けて、再び異形成にならないように漢方で免疫力を強化しています。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり