ご相談いただいているご家族の方が書いてくださいました。掲載の許可をいただいたので、ご紹介します。79歳の父は、今年2月に肺ガンが見つかり、何も治療しなければあと半年と言われたが、すでに数ヶ所の転移があったため手術は出来ず、抗ガン剤を週1回の点滴で投与している。肺ガンと分かってすぐ、免疫力をつけてガンをこれ以上広がらせないように漢方薬を数種類飲み始めた。
医師から、抗ガン剤を投与すれば必ず副作用があると言われていたが、吐き気、脱毛、脱力感はまったくなく、かえって体調が良いほどで、8月の検査では、ガンが減ってきていると、抗ガン剤の量が半分になった。もともと食が細いことも影響しているのか、少し貧血気味で、赤血球の量が少なく、血を増やしてくれる漢方薬を一日一丸にして試してみた。3日ほどたつと食欲が出て、ごはんをお代わりすることもあるようになり、10日後の検査では、赤血球の数値も貧血の値も、心配ない数値になった。
『人生50年』と生きてきたので、その後の命はおまけだ、悔いはない」と言い続けてきた父であるが、少しでもいい状態で寿命をまっとうしてほしいと、西洋医学に漢方をプラスすることを勧めた。当初はさほど意欲的には飲んでいなかったが、数値で見たり、本人にしか分からない作用もあるのだろう。今では、自分できちんきちんと飲んで、ガンが発見される前とほぼ変わらない状態で毎日を過ごしている。
体調が良く、経過が順調でQOL(生活の質)が改善すると、ご本人はもとより、ご家族にとっても不安から徐々に前向きな気持ちで目標を持つことができます。 ガンはガン細胞の性格や身体の免疫力などの諸条件によって、発生から増殖の過程が違います。西洋医学のガン治療の中心は、手術、放射線と化学療法(抗ガン剤)ですが、ガン細胞を攻撃とはいっても、その周辺も破壊されてしまいます。つまり、ガン細胞を抑制する一方で、正常な細胞を損傷したり、免疫機能を低下させることになります。そのリスクをくい止め、 漢方薬で免疫力をアップし正常細胞を活性させることが、西洋医療の治療効果を上げると考えます。
ところで、QOLの改善とは何でしょうか?
ガン患者の苦痛を和らげ、日常生活の質を高めることが、QOLの改善、向上です。具体的には、漢方薬や健康食品を併用することによって、
- 痛みが薄れて体が楽になった。
- 食欲が増進して体力が向上した。
- 体重が増え始め、血色が良くなり、ガンと闘える気持ちになった。
- 精神的にプラスに作用し、元気が出てガン治療を前向きにとらえられるようになった。
- 免疫力を高める効果のほかに、抗ガン剤の副作用を軽減する効果がある、などです。
ガンの進行、再発、転移を防ぐためにも、免疫力をつねに高い状態にして、少しでも安定した生活を送りたいものです。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり