80代の女性です。何年もの間、明け方に足がつる酷さを経験。また、常に足のしびれもある方です。椎間板がつぶれているので、そこからしびれがきているとの診断でした。座薬を使って痛みを止めている間はいいのですが、時間がくるとまた痛む。夜中も痛みで眠れないなど。足の感覚が乏しいので、家内だけ歩いている。うまく入浴できないため、足の冷えが強く感じています。
この方は以前膀胱炎を頻発してご相談があり、漢方薬でこの症状はすっかり改善されましたので、今回はこの痛み、しびれ、つりを何とか楽になりたい。歩けなくなって、人のお世話になるのが心苦しいとの事でした。痛みの治療には、中国医学と西洋医学では少し考え方が違います。痛みの原因に作用して根本から治す、中医学の考え方で総合的に判断します。
この方の場合、椎間板がつぶれているということなので、そこを元通りにすることはできませんが、元々膀胱炎を繰り返したり、入浴する事が出来ない。顔色が白いことから、身体の冷え、血液の巡りが乏しい虚証タイプと考えます。虚証タイプの慢性的な疼痛の原因は、気や血が不足したり、臓器の機能が低下した状態です。筋肉に血液の栄養がいかなくなり、筋肉の痙攣を起こした状態をこむらがえりと言い、消化器系を元気にして血液を補うことが根本治療となります。この様な隠れている原因をとらえて、漢方薬を飲んで頂きました。
2ヵ月ほどで夜中の足のつりは楽になり、その後痛みも取れ座薬を使う必要がなくなり、Drがびっくりしているとの事でした。坐骨神経痛は治ったというご報告はいただきましたが、ご高齢でいらっしゃいますので、現在も、漢方薬を続けながら、腰に負担をかけず常に温める事を心がけていただく様お話しています。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり