30代女性です。2ヶ月前からめまい、立ちくらみ、耳鳴りを感じ、病院でメニエル病と診断されましたが、改善が見られずご相談に見えました。症状はほかにもむくみ、胃もたれ、夜中の頭痛などを訴えていました。
漢方ではめまいを水毒(水分代謝の低下)とみることがあります。胃腸の働きが低下し、栄養を巡らすことができず耳への栄養不足となり、耳鳴りやめまいが起こる場合、常にだるさや疲れを感じ、胃もたれ、むくみも起こりやすくなります。悪化すると頭重感、頭痛も現れます。また貧血気味で頭に血が巡らず起こるめまい、自律神経の失調から来るめまいもあります。この方には2種類の漢方薬を服用していただいたところ、1ヶ月でほとんど症状が改善されました。
60代の男性は5年前から耳鳴りを感じ、特に朝症状が重く、片方は難聴で雑音もあるために人の声が聞き取りにくく、会話が困難と悩んでいらっしゃいました。この場合、加齢による体力低下からくる聴覚障害が考えられますが、長年の精神的ストレスや仕事の疲れ、また不眠や腰、ひざのだるさを伴うことも多いようです。
漢方医学では「腎は耳に通じる」と言われています。腎の働きは水分代謝を調整し、成長・発育・生殖をつかさどり、骨や骨髄を丈夫に、脳の働きを活発にします。それが加齢とともにだんだん弱くなり、耳の機能も衰え、耳鳴りや難聴の症状を訴える方が増えてきます。
この方には、腎の働きを活発にし、代謝を高め、耳の機能を正常化する漢方薬を服用していただきました。1ヶ月後には「楽になった」「調子が良い」と感じていただき、現在も漢方薬と上手にお付き合いしていらっしゃいます。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり