副鼻腔炎

 4月の朝日新聞に”患者を生きる”欄で「副鼻腔炎」の治療経過が掲載されました。慢性副鼻腔炎と診断され、鼻の中が「鼻茸」で埋まり、炎症を起こし、膿が溜まり、抗生物質やステロイド点鼻薬を使って経過を見ましたが、マクロライド療法の目安は3カ月、効果を見極め薬をやめてみましたが症状はすぐにぶり返してしまったとの事。

 手術をすればもっと楽になるとのことで、内視鏡下副鼻腔手術を決心し、決行されました。慢性副鼻腔炎の治療は、「手術5割、術後管理5割」と言われ、 手術がうまくいっても、その後のケアーが不十分だと、せっかく広げた副鼻腔と鼻の通り道がまたふさがって再発のリスクが 高まる様です。

 この記事を読み、感じたことと、私が日常、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎の方の漢方相談を行っていて、漢方薬によって皆さんが鼻づまり、炎症が回復し、楽な毎日を過ごされている方々の顔が思い浮かびました。30代の女性は、10年来の慢性副鼻腔炎で常に膿が溜まっており、初めてご相談にいらした時はほほの内側が腫れて痛みがあり、後鼻漏もありました。社内のほこりに反応し、くしゃみを連発する日々でした。

 漢方薬の「鼻炎丸」を服用して、1か月、2カ月と飲み続けるうちに、鼻づまりが楽になり、黄色い鼻汁は透明に変化(炎症が改善)。その年の花粉症状は特に反応しなくなり、鼻炎の漢方薬は4カ月で休薬し、現在は体を温める“婦宝当帰膠”を服用されていらっしゃいます。

 現在男性のアレルギー性鼻炎のご相談も多く、皆さんとても楽になっていらっしゃいます。手術したほうが良いと言われた方、決心がつかない方、症状が進んでいる方など、ぜひ、漢方薬を試していただきたいと思います。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2010.05.07