飲む目の薬

 新年度がスタートしました。新しい環境で、早く仕事に慣れたい、人間関係も円滑に、と緊張する日々を送っている方は多いかと思います。パソコンの前に釘付けで、一日中画面とにらめっこ。目と頭がフル回転で、仕事が終わった時には目が充血し、頭がふらふらになります。また、人は、相手に自分の意思を伝えようと一生懸命、目を見て話します。「目に万感の情を込めて・・・」「目は口ほどにものを言い」などのことわざがあるように、目は大きな役割を果たしています。

 中医学では、目の使いすぎは血液が消耗されると考えます。長時間パソコンを使うと、目に栄養がまわらなくなり、目の乾き、かすみ、さらに血液不足が進むと、血行障害からくる頭痛、首や肩筋のこりなどを生じます。また、中医学に「肝は目に孔を開ける」という言葉があるように、目は肝と深いつながりがあり、肝と血と協力しあって目に栄養分を送り、代謝を促進しています。

 緑黄色野菜やレバーは、肝の働きを良くし、視力の低下や貧血を防ぎ、目の健康に役立つビタミンを豊富に含んでいます。また、中華の食材に良く使われているクコの実や菊花は、目の炎症を抑え、充血、かすみ目を解消して潤いを取り戻します。

 中国漢方には、昔から”飲む目薬”と呼ばれる漢方薬があり、目の疲れを取って視力を守ります。若い方ばかりではなく、加齢による白内障の予防薬としても良いと、大勢の方に愛飲されています。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2006.04.07