自律神経の乱れと汗

60代、女性の方です。
頭の汗が気になると来店されました。一年前にテニスを始めたところ、もともと汗をかきやすかったとはいえ、頭以外に脇や背中にも汗。みんなで練習するときは、頭の汗がひどくて気になってしまうそうです。他にも髪が細くなってきたことや、頻尿、夜間尿、冷えなど加齢による一般的なお悩みも話されました。

もともと緊張しやすい性格で、周囲に非常に気をつかうそうです。若い頃からお腹が弱く、食べすぎたり緊張するとお腹を壊したり、緊張性の頻尿もあるとのこと。最近もお腹が突然くだり、しくしく痛むことがあったそうです。

中医学では「肝」と「脾」の問題ととらえます。「肝」は自律神経系(ストレス・緊張など)、「脾」は消化器系と深く関わっています。
また「肝」は、精神活動や消化活動、胆汁の生成と分泌、各器官の調節も担っています。緊張やストレスによって「肝」の機能が失調すると、体内の巡りが停滞して熱がこもります。籠った陽気が汗となって出たものが頭汗です。「肝」の失調により、消化器系の働きも低下し、下痢や腹痛がおきます。
お客様には、胃腸機能を整え、生命活動の根本(成長、発育、老化、生殖)を担う「腎」と「肝」を強化する漢方を服用して頂きました。その結果、汗だけでなく、加齢による尿トラブルも改善されました。お話される様子も落ち着いた印象で、お客様自身も調子が良いと笑顔で話されていました。 
現代社会において、自律神経の乱れによる不調は多くみられます。漢方を上手に活用して、日々の生活を元気に過ごしましょう。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2018.10.05