のどの異物感。48歳の女性。最近何かを飲み込むと、いつまでものどに詰まっている感じがして、お茶で一生懸命流し込もうとするのですが、下りていかないと相談にみえました。この方は昨年から月経が不順になり、1年の間に2、3回とだんだん遠のいています。同時に体が疲れやすくなり、気分もさえません。フルタイムの仕事をこなしているのでストレスも多く、家に帰れば家事もしなければならず、時間に追われた生活をしています。
この症状は更年期の女性によくあり、ストレスが多くかかるとのどの異物感を訴えます。何となくイライラして発散できない、食欲がない、寝ても疲れがなかなかとれず、夢を見るようになったなど、更年期になるとさまざまな症状が1年ごとに、また1年のうちでもくるくる変わるようにもなります。
この方にはまず、ストレスによるのどの異物感があるので、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と加味消遥散(かみしょうようさん)を飲んでいただきました。半夏は気を巡らし、厚朴は気を開き半夏の働きを助ける役割をします。また、加味消遥散は更年期特有の憂うつ感、落ち込み、イライラなどさまざまな症状を和らげてくれます。
1ヵ月後、「すごく楽になりました。」と報告をいただき、今も症状に合わせた漢方薬を飲みつづけています。 ストレスを受けると、体の気(エネルギー)の巡りが悪くなり、様々な症状として現われやすくなります。閉経前後、10年あると言われている更年期。ストレスに強い体づくりを心がけたいものです。たまにはハイキングに出かけ、新鮮な空気をいっぱい浴びてみてはいかがでしょう。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり