眠れない

 旅行や行事の予定があると、前夜は興奮したり、起床時間が気になって眠れないーということは誰でも経験していると思います。ところで、この興奮状態で眠れない日が何日も続いたとしたらとてもつらいことです。40代の女性。相談に来られたときは落ち着かず、神経がピリピリし、表情は疲れきって目が真っ赤に充血していました。よほど寝不足なのでしょう。

 職場では部下の教育、実務などをこなし、神経を使います。家でも、子供が帰りを待っているのであせりもあります。 こまめに動いているようでも、実は気持ちが散漫になって、頭の中も考え事が絶え間なく浮かんできます。寝床についても身体は疲れているのに神経が休まらず、なかなか寝付けないのです。

 この場合、精神の興奮状態を鎮静させる生薬「酸棗仁(さんそうにん)」が入った漢方薬を服用すると症状が和らぎます。この方には手軽に服用できる漢方薬を飲んでいただきました。2週間後、すっかり眠れるようになり、とても穏やかな表情になってお見えになりました。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2003.11.07