20代のCさんは、月経時の下腹痛、頭痛がつらく、鎮痛剤を常用量限度まで服用しても、仕事を続けられないほどでした。また、処方されたホルモン剤を長期服用していましたが、改善する様子もなく、ますます不安を覚えます。月経周期は一定せず、経血量はだんだん少なくなっていました。月経は痛みがないのが正常なのですが、鎮痛剤で毎回その場をしのいでいる方も少なくありません。では、なぜ月経痛が起こるのでしょう。
Cさんは冷えとストレスがありました。これは血のめぐりを悪くする一番の原因と思われます。冷えは血管を収縮させ、血のめぐりが滞り「瘀血(おけつ)」の原因になります。この瘀血が痛みの症状となって現れ、ホルモンなどの働きにも影響しやすくなります。月経血の排泄がスムーズにいかなくなると、月経量が減ったり、血の塊(瘀血)が混ざったりします。毎月の月経は、子宮内膜に増殖した血液が不用になって排泄することで、子宮の中がきれいに掃除される、と考えてください。瘀血を放っておくと、卵巣や排卵、受精卵の着床にも影響し、妊娠しづらくなることもあります。
Cさんは血の巡りを良くして体を温める漢方薬を服用していくうちに、頭痛、生理痛は生活に支障ないほどまで改善しました。氷のように冷たかった手は、いつもぽかぽか。顔色も良くなり、不安は解消されました。これからの季節、冷たいものを好んで摂りがちですが、なるべく控えて、体を温めるように心がけましょう。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり