過多月経と子宮筋腫

 月経血がだらだら1、2週間も続いてしまう、月経血の量が多くて動けないほどつらい・・・。毎回このような月経周期を迎える不安は深刻です。この「過多月経」は、子宮筋腫、子宮内膜症、また何らかの理由でホルモン剤を飲んでいる方に多く見られます。学生や若い女性に多いのは生活のリズムや生活環境の乱れに原因があるケースで、過労や頭の使い過ぎ、睡眠不足などによって体のエネルギーである気が消耗された場合に、起こりやすくなります。出血が多いことから体内の血が薄くなり、だるい、力がない、集中力に欠ける、貧血などの症状も現れます。

 中医学はこれらの悩みを改善し、体調を整えることが得意です。子宮筋腫や内膜症の原因と考えられる”血の滞り”を改善する漢方薬を飲んでいただくと、多くの方は、1,2カ月で効果を実感できます。閉経までの期間、つらい思いを不安のまま過ごしたくありません。

 20代の独身女性は、過多月経の原因が子宮筋腫との診断を受け、手術したほうがよいと言われたことに不安を抱えて相談にいらっしゃいました。生活リズムの乱れも原因の一つとお話しし、漢方薬を飲んでいただいたところ、次の月経時、「1週間で生理が終わり、楽でした。ほかのクリニックで診てもらったら、手術の必要はないとのことでホッとしています。」と話して下さいました。また、受験勉強ですっかり気を消耗し、月経血が続いていたお嬢さんも、エネルギーを補う漢方薬を飲んでいただき、正常な月経周期に戻りました。一人でも多くの方に、漢方薬で快適な生活を送ってほしいと願います。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2010.06.07