40歳のＡさんは、月経がだらだらと続き、周期も不安定だったため、検査をしたところ、子宮筋腫であることが判明。あわててご相談にみえました。また、30代のＢさんは、筋腫があることは自覚していましたが、症状がまったくなかったので、そのまま経過。昨年の検診で4cmと倍の大きさになっていることが分かりました。

　女性はだれでも筋腫の芽を持っています。病因は、エストロゲンが深くかかわっていて、ホルモンのアンバランスや免疫機能低下で、筋腫細胞が増殖、成長し、コブになってしまいます。自覚症状がまったくない方、月経過多や月経痛、時には激痛で立っていられないほどつらい、など筋腫が出来る場所や変性によって症状もさまざまです。

　中医学では、筋腫は瘀血（血の滞り）の一症状と考えて治療します。 ホルモンバランスを整え、血の巡りを良くし、子宮を温める働きのある漢方薬を飲んでいただきます。患者様の症状や程度により飲んでいただく漢方薬は微妙に異なりますが、子宮筋腫が進行しないように体のバランスを整える上で、効力を発揮します。

　Ａさんは、漢方薬の服用を続けるうちに、月経量、周期ともに正常に戻り、健康に過ごしていらっしゃいます。Ｂさんは既婚ですが、まだ出産の経験がありません。筋腫の大きさや場所によっては、着床障害や内膜に炎症を起こしやすくなります。早く子作りをした方が良い、と医師のアドバイスがあり、現在、ホルモンバランスと血行を改善する中医薬を中心に、筋腫を小さくして、妊娠しやすい体づくりをしています。

日本中医薬研究会会員　日本不妊カウンセリング学会会員　こだいら漢方堂　大塚みどり