「月経前になると、イライラしたり、気持ちが落ち込んだり、また、以上に食欲が増してコントロールできない」などといった悩みを訴える方が目立ちます。月経前は、多くの女性が何らかの変調、不調を感じるものですが、その度合いが強くなると、むくみ、お腹の張りや痛み、偏頭痛などの身体症状や、気分の落ち込み、イライラ、強い倦怠感、集中力の低下や食欲の変化などの神経症状が現れる人が多くなります。
月経周期の後半、正確には、排卵から次の月経が始まるまでの間に、日常生活に支障をきたすほどつらい症状が現れるケースを「月経前症候群」といいます。原因は、月経周期のホルモンの変化と中枢神経伝達物質との相互関係により、自律神経のバランスが乱れ、いろいろな症状を引き起こすと考えられています。体に水分が偏圧した状態、血液の粘度が高くなったり、血液の流れが悪くなると、むくみや偏頭痛の原因となり、目に見えない精神的なストレスが重なり、ホルモンバランスを大きく崩してしまいます。それが瘀血(おけつ)となり、不眠、イライラ、気うつなどの神経症状を訴える原因になるのです。
30代のAさんは、子宮筋腫があり、月経前のつらい複数の症状を訴えていましたが、「漢方薬を服用してから鎮痛剤を飲むこともなくなり、月経前の症状は、とても楽になった。肌に潤いが出てきて、健康を取り戻していることを体で実感している」と喜んでいらっしゃいます。生き生きした姿を拝見すると、私も嬉しくなります。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり