相談にいらした30代の女性です。月経のたびにつらい痛みに悩まされ、仕事を休んだり、強い鎮痛剤を服用したりと、日常生活に支障をきたすほど。1年近く子宝が欲しいと励みましたが、妊娠に至りません。何か原因があるのではないかと検査を受けたところ、子宮内膜ポリープが見つかり、さらに詳しい検査が必要とのことでした。基礎体温は波があり、毎日変動。排卵が早く、高温期が短い。周期も不安定です。排卵期前に不正出血があったりと、気になる点も目立ちます。ご本人もこれらを気にしており、根本の体質改善が必要ではないかとお考えでした。
中医学では、月経痛は血のめぐりが悪くなっている「瘀血」と考えます。血のめぐりが悪いと、月経血の排泄がうまくいかず、卵胞発育期や黄体期(高温期)に悪影響を及ぼすことがあります。痛みを抑えるだけでは根本的な解決にはなりませんので、瘀血を取り除くことを1つの目標としました。また、周期が短い、体温の波動が激しい、月経前にイライラしやすいなど、ホルモン分泌や自律神経系の調節・抑制が効かないために起きる不調が見られるので、心と体の両面を調和することも必要と考えました。
1ヵ月後、痛みが緩和され、鎮痛剤に頼らなくて済んだとのこと。その後、黄体期の体温の波が小さくなり、イライラもなく、きれいに13日続きました。今週期はさらに大きな目標である子宝に期待したいと、励んでいます。基礎体温表に一喜一憂することはありませんが、体調が良くなって変化がでてきたことが、さらに励みになるようです。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり