乾癬-あまり聞き慣れない病名ですが、皮膚の中でも最も難治であると言われています。炎症性角化症の典型で、境界明確な、やや隆起した赤みを帯び、ときにはジクジクと黄色いカサブタが見られることもあります。何年もあちこちの皮膚科に通ったが、一進一退を繰り返しながら今に至ったという方が少なくありません。
原因ははっきりしていませんが、脂質代謝障害説、蛋白(たんぱく)代謝異常によるという説もあり、減脂肪食療法が有効なことは実証されています。乳製品、肉類、揚げ物、甘味を減らし、実・葉・根・酢を基本にした食生活に変えることが大切です。
60代女性ですが、何年も首筋に大きく目立つほどの紅斑と、腕、足のすねにも小さな紅斑が所々に出て、なかなか改善しないとお悩みでした。また、40代の男性は額から生え際にかけて大きく隆起した紅斑と、耳の後ろから生え際にもジクジクと黄色くカサブタになっています。お二方とも何年もの間、病院を替えては治療を続けたものの改善せず、半分あきらめの境地で相談に見えたのです。
中医学では、血の中に熱がこもっている状態を「血熱」と言い、皮膚の紅斑、発疹、出血、発熱、便秘などは血熱によるものが多いと考えられます。さらに、赤みとジュクジュクが重なっている症状を「湿熱」と呼びます。皮膚の症状に応じて観察しながら、清熱解毒や涼血利湿といった働きを持つ漢方薬を服用していただきます。また、食事療法も大切な治療の一環となります。前述の女性と男性は、服用を続けたことで、1ヶ月目ごろから明らかに症状が改善し、今ではすっかり目立たなくなって喜んでいます。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり