接触性皮膚炎

 手のひらがかさかさで、節々が切れて、血がにじんでいます。熱を持ち、掻(か)いたところはジクジク、つめの根元は赤く腫れて、甘皮が損傷しています。手のひら全体の皮膚が薄くなっており、何らかの刺激でまた切れてしまう。ステロイドの外用薬を使っていても、ますます悪化するばかりです。

 このような方の多くの直接の原因は、洗剤、ゴム手袋、紙、化学物質などにより、接触性皮膚炎を発症しているのです。また、もともとがアトピー体質で、落ち着いていた皮膚が、何らかの刺激により再熱して、悪化している場合もみられます。

 これからの季節、水仕事にお湯を使うことが増えますが、なるべく控える、刺激の少ない洗剤を使う、手袋を使う場合は綿の手袋を着用してからゴム手袋などを重ねる・・・など、手の保護がもっとも重要になります。それでも皮膚の損傷によっては、七種類の生薬が含まれた漢方薬の軟膏や、 炎症がひどく、かゆみ、ジクジクがある場合には外用方法として漢方薬の水溶液湿布をすると、日に日に落ちついてきます。

接触性皮膚炎
■仕事でゴム手袋を使っていたために悪化した状態。手のひらがゴワゴワし、所々亀裂が見えます。皮がむけ、皮膚が薄くなっています。(写真左)
■半年後、多少、鱗屑(皮むけ)はありますが、全体的につるつるした、正常な皮膚に改善しています。(写真右)

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2006.10.07