産後に悪化したアトピー

30代の方です。
落ち着いていたアトピーが、出産後まもなく痒みをひき起こしています。特に胸、乳房は紅斑が広がり、掻いた痕が痛々しく治りません。ステロイドを使ってしまい、母乳を与えるたびに赤ちゃんに影響があることを心配していました。

又、寝ている間に上腕を掻いてしまっているようです。手首、手の甲、指の節は荒れて、亀裂があり、水を使うことがさぞ浸みて痛いでしょう。産後3ヶ月はトラブル無く居ましたが、ご実家から戻ってからの悪化だそうです。

アトピーはストレスがかかると悪化しやすいのです。交感神経が優位になり、緊張が高まると、血に熱を帯び、ヒスタミンの作用で痒みをひき起こします。環境の変化、生活リズムの乱れ、食生活も影響します。中医学ではこれらが原因で皮膚に現れた赤み、痒みを血熱症状と言います。血の熱、つまり「血熱」があると皮膚に出やすいのです。「血熱」をさます「清熱」の漢方薬を飲んでいただきました。

又、皮膚のお手入れも大事です。
五行草で塗布をし、紫雲膏をたっぷりリント布に塗って塗布して頂きました。

≪初回≫
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3週間後の乳房の紅斑は、相当改善し、自然な肌の色に近くなってきました。
掌は、妊娠中の水泡が減り、手首の熱感や指の節の赤みも減り楽になりました。

≪3週間後≫
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2ヶ月後、背中、首など全身が痒い感じだったのが治まりました。
乳房もまったく紅斑は見えません。

≪2か月後≫
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3ヶ月後、腕は掻いてしまったようです。
皮膚が、全体的に血熱が強く見えるので漢方の量を増やすことにしました。
沖縄にお住まいなのでアトピーの方にとって日差しはきついです。

4ヶ月後、お肌の炎症がすっかり鎮まり、掻いた痕もほとんどきれいになりましたが、乾燥が気になります。瑞花露クリームで保湿を始めています。

≪4か月後≫
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現在も、体質改善を目指して漢方薬を飲みながら、皮膚のお手入れを続けています。
育児サークルで、他のママ達から「きれいになって、何かしているの?」と聞かれるそうです。
それほど以前と変わり、お肌の状態が良くなったんだな、と実感しているところです。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2017.09.26