皮膚トラブルと不妊症

 30代の方です。アトピー体質で、長い間皮膚科に通院しておりましたが、赤ちゃんがほしいこともあり、2年前にステロイドを離脱されました。不妊治療をしながら、ステロイドのリバウンドを1年ぐらい経験され、さぞ辛い時期を過ごされたと思います。昨年の6月、ご相談いただいた時も、顔、首、肘、手の荒れが酷く悪化していました。皮膚は赤く熱を持ち、掻いたところから浸出液が出て、ごわごわしていました。掌は水泡、炎症、指は所々亀裂ができ、皮膚表面が薄くなっています。

 皮膚の炎症は、複数の原因を疑い、その炎症の部分だけでなく全体的に考えてみる必要があります。皮膚の熱(炎症)を取り除いて、血液の質を良くすると、自然と月経も整うようになります。皮膚は内臓と密接な関係を持つことから、「皮膚は内臓の鏡」と言われ、内臓は精神と深く関わっているため、心理的ストレスが皮膚の症状を更に悪化させてしまう事もあります。そしてまた、排卵が早くなったり、周期が短かったり、逆になかなか月経が来ないなど、月経周期にも影響しやすいのです。

 この方は、状態にあわせて熱を冷ます漢方薬を飲み続けていくうちに、皮膚はすっかり落ち着き潤いも感じられるようになりました。排卵が早く周期が短く、さらには黄体期も不安定でしたが、その後、月経周期は14日目に排卵、28日周期にまで改善されました。ご本人もとても前向きにとらえる様になり、きっと願いが叶うでしょう。現在は、すっかり落ち着いた皮膚症状がトラブルを繰り返さないように配慮しながら、子宝に恵まれる体質作りの漢方薬で頑張っています。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2011.05.07