バルトリン腺の詰まりは生活習慣が潜んでいる

1例目)40代、しこりに気がついたのは半年前、痒みもあり受診したらその日に切開、2ヶ月後にまた腫れ受診、前回は枝豆程の大きさでしたが、今回は鶏卵大までになってしまい、開窓術をされましたが、その10日後、漢方薬を飲んでみたいとお電話があり、カウンセリングをさせていただきました。

カウンセリングは生活習慣、生活リズム、食生活などを詳しくお聞きし、バルトリン腺が詰まってしまう原因、免疫力が下がってしまう原因を考察します。この方は痩せていて食事量が少なく、その代わりスナック、ジュース、コーヒー牛乳などの量が多い事がわかりました。ご本人は何とも思わずに摂っている脂肪分や糖質、それが栄養摂取に影響し、エネルギーを溜め込む力が足りないために、バルトリン腺を詰まらせる原因になっていると思われます。

漢方で解毒を強化し、代謝を上げて腺の詰まりを改善させるのですが、この方は、飲んでいくうちに腫れては排膿を繰り返しています。今までの生活習慣が漢方薬を飲み始めて、老廃物をデトックスしているのです。すでに開窓術をしていましたので、腫れては穴から自然に膿が出てくる様子が1ヶ月に2回、3回とありました。これまでの体質を改善してバルトリン腺が開通すると、腫れることはなくなります。現在もデトックス漢方を続けていらっしゃいます。

2例目)40代、しこりに気づいたのは1年半前です。ビー玉、銀杏程の大きさで痛みは感じたことがなく、大きさの変化もないバルトリン腺嚢胞で今に至っている、との経過でした。

バルトリン腺がなぜ詰まってしまうのか、生活習慣をお聞きしたら、毎日チョコレートを食べている、とのことでした。多い時には一箱食べちゃう、とか。原材料のココアバター、植物性脂肪が体内に蓄積されると、脂肪としてバルトリン腺を詰まらせる原因になると考えます。そこで、大好きなチョコレートを控えていただき、デトックスと脂肪を燃焼させてバルトリン腺を開通させる効果を考えた漢方を飲んでいただきました。

1ヶ月後の経過、大きな変化は無いが日によって半分ぐらいに小さくなることがあり、 3ヶ月後は半分の大きさになり、5ヶ月後には小豆まで小さくなりました。その後残っている硬いしこりが潰れて無くなった、と報告をいただきました。

不安だった性交も腫れることがなくなり、腺が開通している事が証明され安堵されていました。

バルトリン腺が詰まってしまい、気がつかない間に嚢胞を形成してしまう原因の一つに、過剰な植物性脂肪(トランス脂肪酸,カゼインなど)や乳製品の多量摂取に心当たりがある方は、できるだけ控える事も体質改善には大事なことと考察します。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2020.11.09