男性不妊の現状

 先日「男性不妊の新常識」と題して最前線の現場で活躍しておられる石川智基先生の講演を聞く機会を得ました。そこで話された内容を引用いたします。

 「今、不妊に悩むカップルの、48%が男性側に、65%が女性側に原因がある、といわれているが、受診をするのはほとんどが女性であり、夫側の所見が見つかってもそのプロセスを飛ばして体外受精、顕微授精を行うケースも多いのが現状。男性側の治療で解決できれば、女性は卵巣刺激や採卵といった負担のかかる治療を受けずにすむかもしれない。男性不妊症を治療することで、体外受精から自然妊娠へとステップダウンが可能になった例も多い。精子は温度や酸化ストレス(DNA損傷)に非常に脆弱で、長湯、サウナは避けてほしい、たばこは精子自体が損傷する大きなリスクとなる。また、“夫婦生活は一週間程度禁欲すべし“と根拠のない話が広まっているが、精子は毎日造られているので、精巣上体部に保存されている期間が長ければ長いほどDNA損傷が増えてしまうので、禁欲は無意味。毎日の射精で精液は少なくても精子自体に影響なく、返って良くなる。」

 ネットなどで、間違った情報が錯綜していると付け加えながら、正しい常識を不妊で悩んでいる多くのカップルに大いに参考にしていただきたいです。ちなみに、男性不妊専門医は全国で45名、精索静脈瘤を手術できる医師は5名だそうです。まだまだ男性自身の自覚が低い現在。できることは少しでも努力してみましょう。パートナーはその姿を見て、2人でがんばっているんだと、前向きになれるでしょう。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2013.11.15