今回は中医学の不妊治療法「周期調節法」について、少しわかりやすくお話したいと思います。女性の基礎体温は、高温期と低温期の二層に分かれています。生理周期は個人差がありますが、28~35日が理想とされています。月経期、卵胞期、排卵期、黄体期と4つの変化があり、「周期調節法」は、この変化に合わせてその時期に必要な力を漢方薬で補う方法です。月経期は、子宮内膜がはがれて生理を迎えます。古い血液をスムーズ排出させる漢方薬を用い、次の周期に向け、子宮を整えます。
卵胞期から排卵期は、卵胞が育ち、子宮内膜が厚くなり始める時期です。卵巣内で月に一個ずつ卵胞が成長し、子宮は新しい内膜を作り始めます。着床しやすい子宮内膜増殖を目標に、よい卵子と内膜の育成を助け、排卵を促す漢方薬を服用します。
黄体期は卵胞が黄体に変化し、子宮内膜が厚くなる時期ですので、成長、着床、発育を助けるために、”暖かくて、やわらかいお部屋”の環境作りを整えます。 また、PMS(月経前症候群)がある場合、その症状に適した漢方薬を加えることも重要になります。
病院で何度も体外受精を試みましたが、いい結果が出ず、希望を失いかけてた方からご相談いただきました。「周期調節法」による漢方薬を2ヶ月服用して、凍結していた受精卵を戻したところ、「着床に成功して順調です」と喜びのご連絡をいただきました。本来備わっている妊娠する力を早く取り戻すことができて、驚くほどの効果でした。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり