妊娠しやすい体づくり 基礎体温でわかること

 なかなか子供ができないというご相談は多く、ご夫婦は妊娠できない原因は何かと悩みます。子宮筋腫や内膜症が妊娠に影響する場所や状態である場合は、治療することが大切です。しかし、検査でも何も問題ないのに、なかなか妊娠しないケースも多いのです。

 中医学では、妊娠しやすい体には、「気(=エネルギー)」や、「血」が十分備わっていて、生殖能力の大元と考える「腎」の力がしっかりしていることが必要です。西洋医学的には問題ない、と言われた人でも、基礎体温表を見せていただいて、妊娠しにくい原因を西洋医学と異なった独特の方法で見つけ出します。

 妊娠しやすい子宮環境は、何よりも温度を一定に保つことです。目安になるのは、基礎体温表を3カ月くらいつけると、その女性の体質を把握することができます。婦人体温計を寝る前に枕元に置いておき、朝目覚めたとき、体を起こす前に安静状態で、舌の下で測ります。計測時刻は毎日一定であることが望ましいですが、1時間以上ずれた日は、メモしておくと体温変動の目安になります。

 月経開始日から次の月経前日までを1周期とし、周期前半から後半の体温は、差が0.3~0.5度高くなるのが正常です。周期前半の低温期は、卵巣内では卵胞が発育し、子宮では、不用となった血液が排泄される月経期と、新しい血液が再生される卵胞期にあたります。低温期から高温期への移行は2日以内が望ましく、高温期は12~14日間安定していることが必要です。これは、脳の視床下部→脳下垂→卵巣から分泌されるホルモンが、順調に増えていることを表します。

 妊娠を希望される方はもちろん、そうでない女性も、健康のバロメーターとして、ほぼ決まった周期で月経があることや、体調の変化を見る意味でも、基礎体温を測る習慣をつけることをお勧めします。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2007.07.06