いくつもの婦人科疾患を乗り越えて

 30代の方です。現在お元気で妊娠7か月を迎えています。この方は、婦人科系に色々病気をお持ちの方でした。卵巣嚢腫、内膜ポリープがあり、内膜増殖症で月経量が多く、月経痛が辛くて鎮痛剤を3日間も飲まないといられないほどでした。1年半前から、誘発剤を使ってタイミングを試みましたが、8周期経過しても叶わず、病院を変え、人工授精をするために、注射でさらに多大に誘発をしてOHSSになってしまったり、いろいろな経験をされ、どれほど不安だったでしょう。ご家族が心配してご紹介くださったのです。

 初めてお会いした時は、気丈に笑顔でしたが、顔は青白く、唇や舌が紫で、まだ10月というのに手が冷たく、中医学でいう気血(エネルギー、血液)不足と捉えました。子宮内膜症、ポリープ、月経痛は瘀血(血の滞り)と考えます。内膜増殖症の治療で薬を飲んでいましたが、不正出血は続いているとの事もあり、今後は少し体をいたわり、「漢方薬で妊娠しやすい体づくり」を目指してから、次のステップを考えることになりました。

 早速、気血を補い、血液の巡りを良くして、身体を元気にする漢方薬を飲んでいただきました。不正出血は1週間ほどで止まり、2か月後の体温表は低温期、高温期のメリハリがはっきり見えています。3か月後には月経痛が楽になりました。漢方薬を飲み続けて7か月後にステップアップを試み、見事1回で妊娠できました。以前の大変な治療経過を伝えられていたご家族も、大変喜んでおられます。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2014.11.05