何年も前から自力では月経が起こらない30代の方です。「下垂体ホルモンの分泌不足で卵巣に刺激を送り込むことが出来ないために月経がない」と診断され、3か月おきにホルモン注射で月経を起こしていました。赤ちゃんがほしいと願い、このままの治療で良いのかと不安な気持ちでご相談に見えました。
「排卵誘発剤、黄体ホルモンを使って卵巣の反応や、内膜の経過をみたが、ほとんど反応がなく、この状態では自然妊娠は望めない」と病院からは説明がありました。体外受精をするにしても、このままの状態で子宮内膜が厚くならなければ、たとえ良い受精卵が出来ても、移植をすることができません。
そこで、卵巣や内膜に良い働きを促すよう考え、血と腎を補う漢方薬を飲んでいただきました。さらに基礎体温を観察しながら、自力で排卵が叶うかの経過も見つつ、体外受精への心と体の準備に向かう事となりました。仕事の都合で、気持ちがなかなか治療に向かずに1年近く経ちましたが、自然に妊娠したのです。ご本人もドクターも「奇跡的」と。漢方薬が卵巣にエネルギーを送り込んで、自力の排卵があったのです。諦めなくてよかった、信じてよかったと喜びあいました。
昨年、元気に女の子を出産されています。おめでとうございます。
日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり