不妊原因は男性にも!

 一昔前なら「不妊は女性側に原因」という意識が大半でしたが、現在では、不妊で悩んでいるカップルの半数は、男性にも問題があると言われています。現代では環境ホルモンやストレス、不規則な生活や偏食など様々な因子があり、この20年の間に精子量が3分の2に減少、さらに運動率が低下、奇形率が上昇傾向にあるようです。

 精子は射精されてから、卵子と出合い受精するまでに、長い長い旅をします。精子の大きさは1ミクロン。卵子にたどり着くまでの実測距離は15センチほどですが、それを成人男性に置き換えると、何と1日で250km以上を走ることになるそうです。それだけの元気が男性に、精子になければ、受精はおぼつきません。

 生活・養生面で気をつけることは熱いお風呂に長くつからないこと。サウナは控える。精巣の温度が上がり、環境が悪くなってしまいます。バランスを考えた食生活を心掛け、精子量・奇形率・運動率低下の原因となる、睡眠不足やストレスに十分注意します。

 ご紹介で来られたご夫婦です。結婚3年経過しても妊娠に至らず検査をしたところ、男性は精子障害、 女性は卵管閉塞が見つかり、体外受精に望みを託しましたが受精せず。お二人で漢方薬をお飲みいただくようになりました。半年後再び体外受精を試みましたが移植に至らず、しかし、幸い次の周期に自然妊娠していることがわかり、ご夫婦の望みが 叶えられました。 お二人ともに妊娠しやすい体づくりをされた、素晴らしい結果で、私も嬉しい限りです。

日本中医薬研究会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 こだいら漢方堂 大塚みどり

2010.02.06